2023年12月25日
ガルバリウムとは、鋼を基材にし、亜鉛、アルミニウム、ケイ素の合金でめっきされた金属材の一種です。
このめっきにより、ガルバリウムは錆びからの保護や耐用年数の向上が図られ、特に耐久性に優れています。
ガルバリウム鋼板は、軽量かつ頑丈であり、サビに強いですが、デメリットも存在します。
本記事では、ガルバリウムとは何か、外壁にガルバリウムを使用するメリットとデメリットをご紹介します。
これらの特性を理解した上で、外壁材の選択を検討することが重要です。
□ガルバリウムとは?
ガルバリウムは、めっきされた金属材の一種で、主に鋼を基材にして、亜鉛、アルミニウム、ケイ素の合金でめっきされた製品です。
これにより、錆びからの保護や耐用年数の向上が図られます。
ガルバリウムは、トタン(亜鉛100%のめっき)に似ていますが、その耐久性が優れています。
なお、「ガルバリウム」という元素や物質が存在するわけではありません。
めっきは、素材の表面処理方法の一つで、金属または非金属の材料の表面に、薄い金属の膜を被せるプロセスです。
「ガルバリウム鋼板」は、鋼板(鉄製の板)に特定の割合の亜鉛、アルミニウム、ケイ素からなる合金でめっきを施したもので、日本では主に外壁や屋根の建築材料として使用されます。
略して「ガルバ」と呼ばれることもあり、「ガリバリウム」「ガルバニウム」とも呼ばれることがあります。
ガルバリウムの特徴には、錆びに強いこと、比較的安価な金属素材であること、日射による表面の熱上昇が緩やかなことが挙げられます。
錆びに強い理由は、めっき層に含まれる亜鉛、アルミニウム、ケイ素の作用により、金属の弱点である「錆び」に対する耐性が向上するためです。
アルミニウムのはたらきによりめっき表面に皮膜が形成され、全体として高い防食性が得られます。
ガルバリウムの耐用年数は、最低でも20年であり、ほとんどの場合30年以上はメンテナンス不要と言われています。
各メーカーは、塗装不要を保証する期間を20~25年程度としており、通常使用であれば30年は問題なく使用できるとされています。
ただし、潮風の影響が大きい沿岸地域などでは保証の対象外とされることがあります。
□外壁にガルバリウムを使用するメリット
外壁にガルバリウムを使用することには、以下のようなメリットがあります。
1.錆びにくい
ガルバリウム鋼板はアルミニウムが主成分であるため、トタンなど他の金属外壁材と比較して非常に錆びにくい性質があります。
2.防水性が高い
ガルバリウム鋼板は、ALC外壁と比較して隙間が少なく、内部への水の浸入を防ぐ効果が期待できます。
3.軽量かつ耐震性が高い
外壁材が軽量であるほど地震に対する強さが向上します。
ガルバリウム鋼板は特に軽量なため、高い耐震性を実現できます。
4.長寿命である
通常、ガルバリウム鋼板は20~25年という長い耐用年数があり、外壁の張り替えサイクルを延ばせます。
ただし、環境やメーカーにより実際の耐用年数は異なります。
5.ひび割れにくい
モルタルやコンクリートが経年劣化によりひび割れするのに対し、ガルバリウム鋼板は金属素材でひび割れが少ないため、内部への雨水浸入の心配が軽減され、安心して住めます。
6.スタイリッシュな外観である
ガルバリウム鋼板を使用すると、金属の素材感が独特で無機質な印象を与え、モダンでスタイリッシュな外観を演出できます。
これは、モダンな住宅デザインを望む方におすすめです。
□外壁にガルバリウムを使用するデメリット
外壁にガルバリウムを使用することには、以下の点に注意する必要があります。
1.傷がつきやすい
ガルバリウム鋼板は表面のメッキが薄いため、慎重な取り扱いが必要です。
傷がつくと錆びる可能性があり、特に運搬や施工時には細心の注意が求められます。
2.デザインが制約される
ガルバリウム鋼板は金属の質感によりシンプルなデザインが特徴です。
シックな住宅を求める方には適していますが、他の外壁材よりも制約されることがあります。
3.へこみやすい
ガルバリウム鋼板は外部からの物理的な影響に弱く、物が当たるとへこみやすい傾向があります。
通常の生活ではあまり心配されませんが、特に子供がスポーツをする場合は慎重が必要です。
4.施工費用が高い
ガルバリウム鋼板の施工には手間がかかるため、他の外壁材に比べて施工費が高くなることがあります。
予算に余裕を持って計画する必要があります。
5.修理やメンテナンスが難しい
ガルバリウム鋼板が傷ついた場合、その傷みが進むと錆びが発生します。
修理やメンテナンスをするにあたっては、素材の特性を理解する必要があります。
適切な手入れがないと、外観の劣化が早まる可能性があります。
□まとめ
ガルバリウムは、めっきされた金属材の一種で、主に鋼を基材にして、亜鉛、アルミニウム、ケイ素の合金でめっきされた製品です。
外壁にガルバリウムを使用するメリットは、錆びにくい、防水性が高い、軽量かつ耐震性が高い、長寿命であることが挙げられます。
一方、外壁にガルバリウムを使用すると、傷がつきやすい、デザインが制約される、へこみやすい、施工費用が高いなどのデメリットも存在します。
本記事がガルバリウムの特性を知り、外壁選びの参考になれば幸いです。
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