自分好みの家づくりがしたい方の中には、黒い外壁を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
黒い外壁はスタイリッシュな印象を与えられ、黒い汚れが目立ちにくいため、魅力的な選択肢です。
一方、黒い外壁は熱を吸収しやすく、夏に家の中の温度が高くなってしまうというデメリットもあります。
本記事では、黒い外壁の見落としがちなデメリットと、黒い外壁の魅力、黒い外壁を選ぶ際の4つのポイントについてご紹介します。
□黒い外壁の見落としがちなデメリット
黒い外壁の選択にはいくつかのデメリットがあります。
以下は、一般的な黒い外壁の短所についての例です。
1.汚れや傷が目立つ
黒い外壁は、特に白い砂埃のような汚れが目立ちやすい傾向があります。
凹凸のある表面や滑らかでない外壁材は、汚れがより目につきます。
交通量の多い道路沿いや海岸の近く、黄砂の影響を受ける地域では、特に注意が必要です。
雨による土の跳ね返りや鳥の糞も目立ちます。
2.隣人の不満
黒い外壁は好みが分かれるため、建築主が満足していても、近隣の人々が圧迫感や暗さを感じることがあります。
特に狭小地で隣家が近い場合、隣家の窓に影響が出る可能性があります。
光も吸収されるため、お隣への配慮が必要です。
3.熱を吸収しやすい
黒い色は光を吸収し、熱エネルギーに変えやすい性質があります。
そのため、黒い外壁は夏場に表面温度が高くなり、触れるとヤケドする可能性があります。
金属系の外壁は特に熱を伝導しやすいため、注意が必要です。
高性能の断熱材が必要とされますが、外壁が熱いからといって室内も暑くなるとは限りません。
これらのデメリットを踏まえて、黒い外壁を選択する際には慎重に検討することが重要です。
□黒い外壁の魅力とは?
黒い外観の家にはいくつかのメリットがあります。
以下に、その中から4つを紹介します。
1.高級感が漂う
黒い外観は、洗練された印象やどっしりと落ち着いた雰囲気を与え、注文住宅に高級感をプラスします。
光沢のある艶黒やマットな黒の外観は、都会的でスタイリッシュな印象を醸し出し、個性的でおしゃれな佇まいを実現できます。
また、ツートンカラーのデザインにおいて、1階に黒を配置することで重厚感が増す効果もあります。
2.他の色との組み合わせがしやすい
黒い外観は、他の色との相性が良く、白やグレーはもちろん、赤や青、緑などの鮮やかな色とも調和がとれます。
黒を基調として差し色として他の色を取り入れることで、よりスタイリッシュで魅力的な外観を演出できます。
3.和洋どんなテイストにも適応可能
黒い外観は、和風でも洋風でも調和しやすい色であり、モダンでスタイリッシュな雰囲気を醸し出します。
素材や質感を工夫することで、和風の雰囲気や古民家カフェのような趣も楽しめます。
また、白とのツートンカラーやアクセントカラーの組み合わせにより、北欧風の外観も実現できます。
4.汚れが目立ちにくい
黒い外観は、黒っぽい汚れが目立ちにくい特徴があります。
外壁が外部環境と常に接しているため、時間が経つと汚れが蓄積されることがありますが、黒い外観はその汚れを相対的に目立たなくしてくれます。
特に雨だれなどの黒っぽい汚れが気になる方にとっては、黒い外観の利点と言えます。
□黒い外壁を選ぶ際の4つのポイント
黒い外壁を選ぶ際に重要なポイントは以下の4つです。
1.カラーシミュレーションの実施
外壁の色選びだけでなく、家全体の印象や周辺の景観との調和を確認するためにカラーシミュレーションを行うことが重要です。
窓枠や扉の色も考慮し、色の組み合わせによって得られる印象を検討します。
統一感を持たせるために色の組み合わせには注意が必要です。
2.素材や塗料の考慮
色だけでなく、外壁の素材や塗料も印象に大きく影響します。
例えば、ガルバリウム鋼板はモダンでクールな印象を与えます。
選んだ素材の耐久性やメンテナンス性も検討しましょう。
紫外線への強さや色あせにくさ、汚れを防ぐ特性などが重要です。
3.一段薄い色とマット仕上げの選択
濃い色は適切に使わないと安っぽく見える可能性があります。
黒い外壁を選ぶ場合、一段薄い色を選んだり、ツヤが出にくいマット仕上げの塗料を利用することで、洗練された印象を与えられます。
4.一色にしない工夫
完全に一色にすると圧迫感が出ることがあります。
玄関ドアや窓枠、2階部分などに異なる色を取り入れ、アクセントをつけることで全体のバランスを取りやすくなります。
周囲の住宅との調和も考慮して、外壁のベース色を変えることで自然な調和が生まれます。
これらのポイントを踏まえて、黒い外壁を選ぶ際には慎重に検討することが重要です。
□まとめ
黒い外壁の見落としがちなデメリットとして、白い汚れが目立つ、熱を吸収しやすいことが挙げられます。
一方、黒い外壁の魅力としては、高級感がある、他の色と組み合わせやすい、和洋どちらのテイストでも合わせやすい、黒っぽい汚れが目立ちにくいことが挙げられます。
黒い外壁を検討する時は、カラーシミュレーションを実施する、素材や塗料を考慮する、一段薄い色やマット仕上げを選ぶ、一色にしないことがおすすめです。
本記事が黒い外壁を検討する参考になれば幸いです。